ぶどうができるまで
坂上ぶどう園では、甘くて美味しいぶどうを作るために
1年を通じていろいろな作業や工夫をしています。
こちらでは、どのようにしてぶどうができるのかをご紹介します。
12月上旬〜2月下旬頃までは、ぶどうは休眠期に入ります。この期間に、枝を切除する剪定作業や栄養ある土壌を作るための施肥作業を行います。冬の間にしっかりと土台を作ってあげることで、美味しいぶどうが育ちます。また、雪国ならではの作業としては、雪で壊れてしまったぶどう棚の修理があります。
施肥作業
坂上ぶどう園の栽培面積は、約170アールあります。この広大な農園をトラクターの動力を使って、施肥作業をしています。ボカシ等の有機肥料を施肥することで、品質の良い甘くて美味しいぶどうに仕上がります。
剪定前
剪定後
剪定作業
剪定作業とは、写真のように枝を切除して枝の長さや枝の数(芽数)を調整する作業です。木の活動が完全に止まる1月~2月に行うのが一般的ですが、坂上ぶどう園では剪定面積が膨大であり、かつ雪国・新潟であるため、11月中旬頃には剪定作業をスタートさせ、雪が本格的に降り始める12月末頃には完了させます。剪定作業を行う目的は、病害虫の被害を受けた枝を切除することによる防御対策、乱雑に伸びた枝の長さや枝の数(芽数)を調整して切除することによる作業効率、来シーズンのぶどうの房の栽培量をコントロールすることが挙げられます。私個人としては、この剪定作業がぶどう栽培において、ぶどうの出来を左右する最も大事で重要な作業であると実感してます。
誘引作業
ぶどうの誘引作業とは、誘引用テープやひもで、ぶどうの枝を棚全体にバランスのよい配置で固定(結束)する作業のことです。発芽から半月ほど経過すると、ツルが伸びて葉が広がってきますが、風にあおられてツルが折れないようにするという目的もあります。
開花期
春になるとぶどうの芽が発芽します。さらに5月下旬〜6月上旬にはぶどうの花が開花します。ここでは、房にしっかりと適切にぶどうの実がつくように、芽欠き作業や花摘み作業を行います。
芽欠き作業
芽欠き作業とは、極端に強い芽や極端に弱い芽を欠き、発芽した芽の大きさをおおむね一定に揃えるように芽を欠く作業のことです。芽の大きさを揃えることによってどの芽も平均的に伸長していくことにより、木の樹勢が安定し、結果的にぶどうの結実、出来が良くなります。生育が揃うことにより、今後のぶどうの管理がし易くなるというメリットもあります。さらに予め、芽を適切に減らしておくことで、芽が伸びた後でも棚面に日光が当たり易くなり、光合成効率も上がります。私個人としては、この芽欠き作業は、剪定作業に次ぐ最も大事で重要な作業の一つであり、かつ奥が深い作業であると実感してます。
花切り(花摘み)作業
花切り(花摘み)作業とは、ハサミで「花穂(かすい)=ぶどうのつぼみ」の上部や下部などを切り取る作業のことです。花切り(花摘み)作業をすることで、房の形をきれいに整えることができます。また、養分の分散を防ぎ、花切り(花摘み)作業で残した部分に養分が集中して、実がたくさん着き易くなります。
ぶどうの花が咲いた決定的瞬間! (ぶどうの花は控えめなので少しわかりづらい)
ジベレリン処理
ジベレリン処理とは、ぶどうの種をなくすためと粒を肥大化させるために行う作業です。当園では、ぶどうの花の満開から約3日後と、満開から約14日後の2回、この作業を行います。種なしぶどうは、必ずこのジベレリン処理を行わないと種なしぶどうにはなりません。少し手間のかかる作業ですが、食べやすい種なしぶどうを作るために、手間を惜しまずに行っています。ジベレリンというのは、もともと植物が持っているホルモンです。このホルモン溶液をぶどうにつけることで、種がなくなります。
草刈り作業
坂上ぶどう園では、除草剤を一切使用していません。そのため、草刈り作業が欠かせません。土壌の養分を雑草に取られてしまわないよう、さらに害虫が畑に集まって来ないように、定期的に草刈り作業を行なっています。
着色期
いよいよぶどうが成熟してくるこの時期は、美味しいぶどうにするための最終仕上げをします。しっかり完熟させて、さらに甘くなるように、摘房・摘粒作業を行います。雨や虫からぶどうを守るための笠掛け・袋掛け作業も大切です。
摘房(てきぼう)作業
摘房作業とは、ぶどうの房の数を減らして、適切な房の数に調整する作業のことです。形の悪い房や、過多になっている(集中している)場所の房を切除します。しっかりと完熟して、甘みがギュッと詰まった美味しいぶどうに仕上がります。
摘粒(てきりゅう)作業
摘粒作業とは、ぶどうの粒を取り除き、一房あたりの粒の数を適切な粒の数に調整する作業のことです。一粒一粒が大きく成長するように、房の形を考えながら粒を減らしていきます。こうすることで、さらに甘いぶどうに仕上がります。
笠掛け・袋掛け作業
ぶどうに笠をかける笠掛け作業は、高温障害を防ぐためと、降雨から果実を守るために行います。また、袋掛け作業は、紙で作られた袋をぶどうに掛けていきます。害虫や鳥からぶどうを守ってくれます。同時に、葉面散布の殺菌剤から果実を守る役目もあります。
1年かけて大切に育ててきたぶどうがいよいよ収穫されます。坂上ぶどう園では、8月下旬から10月中旬にかけて、多品種の豊富なぶどうを収穫できます。収穫時期や品種によって異なる味覚を楽しめます。
収穫期
1年かけて大切に育ててきた愛情と太陽をいっぱい浴びた「ぶどう」が皆様のご来園をお待ちしてます。
アクセス
〒957-0123
新潟県北蒲原郡聖籠町二本松1057-2
お車でお越しの方
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